矯正後に歯並びが元に戻る「後戻り」と「矯正治療法」
2021年12月6日
■後戻りとは?
矯正治療を終えた後に、歯並びがもとに戻ってしまうということを聞いたことはありませんか?この現象を「後戻り」といいます。
矯正治療は、歯の土台である骨(歯槽骨)が、壊れる→再生するというサイクルを繰り返して歯を動かしていきます。そのため、矯正治療後の骨は通常と比べてかなり柔らかく不安定で、リテーナーという歯並びを安定させる保定装置をつけなければ、歯は治療前の位置に戻ろうと動いてしまいます。
この後戻りは、ワイヤーでもマウスピースでも、どのような矯正治療をした方でも起こり得る現象です。
■後戻り起こしやすいいケースとは?
後戻りは矯正治療をした方全員に生じるリスクのひとつですが、後戻りが起こりやすいケースもいくつか存在します。
⑴保定装置(リテーナー)の使用が不十分だった
後戻りが起こる最大の原因は、この保定装置(リテーナ―)の使用を怠ってしまうことです。
保定装置(リテーナー)とは、矯正治療を終えた後に、そのきれいな状態の歯並びをキープするために使用する装置です。
矯正治療は、歯を動かす「動的治療」と、保定装置で歯並びを落ち着かせる「保定期間」を経て治療が完了します。つまり、歯を動かして歯並びがきれいになったら治療が終わるということではなく、保定期間も含めてが矯正治療なのです。
保定期間にリテーナーを使用していない場合、後戻りを起こして歯並びが元に戻ってしまう可能性が非常に高いといえるでしょう。
ワイヤーのついた保定装置もございますが、当院で使用する保定装置は透明なマウスピースとなります。治療中のマウスピース同様、装着中も目立つことはありません。
⑵口腔習癖
口腔習癖とは、舌で歯を押す、唇を噛むなどの癖をいいます。多くの方はその癖に気が付かずに過ごしています。これらの癖は、歯が動いてしまう大きな原因です。
歯は唇や舌などの弱い力でも、持続的に力が加われば少しずつ動いてしまいます。そのため、治療後無意識に行っている癖によって、知らず知らずのうちに歯が移動し、後戻りを起こしてしまうことも少なくありません。
また、矯正治療中でもこの癖が続けられると、歯が計画通りに動かない、治療期間が延びてしまう等のリスクが生じてしまいます。当院ではこのようなことがないよう、口腔習癖を取り除けるようにご指導しながらの矯正治療を行いますので、どうぞご安心ください。
口腔習癖については、こちらの記事もご覧くださいね。→口腔習癖と歯並び
⑶親知らず
矯正治療では治療前の精密検査でレントゲンを撮るため、親知らずを考慮した治療を行うことがほとんどです。
しかし、子供のころ矯正治療を行い、治療を終えた場合、親知らずが残っていることが多いでしょう。現代の日本人は顎が小さい方が多いといわれています。しかし、親知らずは、生えるスペースがなくとも生えようとします。この過程でほかの歯を圧迫し、歯並びが崩れてしまうことも決して少なくはありません。
年齢とともに歯並びが悪くなってきたという方は、もしかしたら親知らずのせいかもしれません。
■後戻りした歯はもとのきれいな位置に戻る?
残念ながら、動いてしまった歯はまた矯正治療をしなければ元のきれいな位置には戻りません。そのため、少し歯がガタついてしまった、前歯が出てきてしまった、という場合でも、元に戻すためにはマウスピース矯正やワイヤー矯正などの装置による矯正が必要不可欠です。
当院では、矯正治療後の後戻りにも対応しておりますので、お悩みの方は一度当院までお問い合わせください。
■保定装置はいつまで使い続ける?
保定装置は、歯を動かした期間分は装着することが望ましいとされています。また、最初のころは食事と歯磨き以外の時間は装着しておく必要があります。ただし、ずっと装着していただくということではなく、状況によって2年目からは就寝中のみにする、などだんだんと着けない時間を増やしていく形となります。
当院では治療後の検診も行いますので、装着時間のご相談等も受け付けております。
後戻りは、初めての矯正と比べると費用や治療期間が短い治療になります。当院では後戻りの原因などをしっかりと突き止め、根本的な治療を行います。
マウスピース矯正で後戻りの治療を検討されている方は、一度お気軽に当院でご相談くださいね。
後戻り矯正の詳細は「後戻りした歯の再矯正」をご覧ください。