
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
歯石除去の利点とは?
2025年01月17日
歯石を除去する利点についてお話します。
歯石の除去には多くの利点があり、口腔内の健康を維持するために非常に重要な手段です。歯石は、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)が硬化したものですが、これを放置するとさまざまな口腔トラブルを引き起こす原因となります。以下に、歯石除去の利点を詳しく説明します。
1. 歯周病の予防
歯石は歯周病の主な原因の一つです。歯石が歯茎と歯の間にたまると、歯茎が炎症を起こし、歯周病を引き起こすことがあります。歯周病は、歯茎が腫れたり出血したり、最終的には歯を支える骨が失われる原因になります。歯石を定期的に除去することで、歯周病を予防することができます。
2. 虫歯の予防
歯石は、歯に付着するバクテリアの温床となり、虫歯の原因となる酸を生成することがあります。歯石を取り除くことで、細菌の繁殖を抑え、虫歯のリスクを減らすことができます。
3. 口臭の改善
歯石に付着したバクテリアや食べかすは、口臭の原因になります。特に歯石が歯茎の下にたまると、歯周ポケット内で悪臭を放つことがあります。歯石を除去することで、口臭の改善が期待でき、清潔で快適な口腔内を維持できます。
4. 歯の見た目の改善
歯石が歯の表面に付着すると、歯が黄ばむ原因になります。特にタバコの煙やコーヒー、紅茶などが原因で歯石が着色することがあります。歯石を除去することで、歯が白くきれいに見えるようになり、見た目が改善します。
5. 歯の健康維持
歯石が溜まると、歯の表面が粗くなり、さらにプラークがつきやすくなります。これにより、歯が磨きにくくなるとともに、虫歯や歯周病のリスクが増大します。定期的に歯石を除去することで、歯を清潔に保ち、健康な状態を維持することができます。
6. 歯茎の健康向上
歯石が歯茎の下に溜まると、歯茎が炎症を起こし、出血を伴うことがあります。これを放置すると、歯周ポケットが深くなり、歯茎が後退する原因になります。歯石を除去することで、歯茎の健康が保たれ、歯茎からの出血や腫れを防ぐことができます。
7. 歯並びや噛み合わせの改善
歯石が溜まることで、歯が不規則に動いたり、歯と歯の間に隙間ができたりすることがあります。定期的な歯石除去により、歯の位置や噛み合わせが安定し、口腔内の機能を維持できます。
8. 全身の健康への影響を軽減
歯周病は、全身の健康にも影響を与えることがわかっています。研究によると、歯周病が進行すると、心臓病や糖尿病、脳卒中などのリスクが高まる可能性があります。歯石を除去し、歯周病を予防することで、全身的な健康も守ることができます。
9. 治療の予防的効果
歯石除去は、今後の高額な治療や時間のかかる治療を避けるためにも重要です。歯石が溜まり続けると、歯周病が悪化し、最終的には歯を失うことにも繋がります。早期に歯石を除去することで、将来的な歯の問題を予防することができます。
10. 歯科治療の効果を高める
歯科治療を行った後、歯石があると治療の効果が十分に発揮されません。例えば、歯周病の治療後に歯石が残っていると、再度炎症を引き起こすことがあります。歯石を除去することで、治療の効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
歯石除去には、歯周病や虫歯の予防、口臭改善、歯の見た目の向上、全身の健康の維持など、さまざまな利点があります。定期的に歯科医院で歯石除去を行うことで、健康な口腔環境を維持し、長期的に美しく健康な歯を保つことができます。また、歯石除去は予防的な意味でも非常に重要ですので、歯科検診を定期的に受け、早期に問題を発見・対処することが大切です。