
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
食べ物を片方で食べるのはNG?
2025年02月9日
今回は食べ物を片方で食べるのがなぜいけないのかについてお話します。
食べ物を片方の歯で噛むことが良くない理由はいくつかあります。以下にその理由を説明します。
1. 歯のバランスが崩れる
- 片方の歯ばかりを使うことで、噛む力が片方の歯に集中します。その結果、片方の歯に過度な負担がかかり、歯の摩耗や痛みを引き起こす可能性があります。
- さらに、長期的に片側で噛み続けることで、歯並びが崩れたり、咬合(噛み合わせ)が不正になったりするリスクがあります。
2. 顎の筋肉に偏った負担がかかる
- 食べ物を片方で噛むことで、顎の片方の筋肉に過度な負担がかかります。この負担が続くと、顎の筋肉の不均衡が生じ、顎関節に痛みや違和感が生じることがあります(顎関節症)。
- 片方の筋肉ばかりを使うと、顎の動きが不自然になり、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こすこともあります。
3. 噛む力が均等に分散されない
- 食べ物を両側で噛むことで、噛む力が均等に分散され、歯全体に適切な負荷がかかります。しかし、片方だけで噛むとその負担が片方の歯に集中し、歯が欠けたり割れたりするリスクが増えます。
4. 歯の健康に影響を与える
- 片方で噛むことが習慣化すると、噛み合わせが悪くなり、歯が均等に使われなくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。また、片側の歯の歯茎が萎縮しやすくなり、歯茎の健康にも悪影響を与える可能性があります。
5. 消化に悪影響を与えることがある
- 食べ物を片側で噛むと、食べ物が十分に細かくなりにくいため、消化の効率が悪くなる可能性があります。食物をよく噛むことで消化酵素の分泌が促され、胃腸への負担を軽減するのですが、片方だけで噛んでいると、十分な咀嚼が行われず、消化が不完全になることがあります。
6. 顎関節への負担
- 片側で噛み続けると、顎関節に偏った圧力がかかり、顎関節症や顎の痛み、開口時の違和感などが起こることがあります。顎関節症になると、噛み合わせが悪くなり、痛みが慢性的に続くことがあります。
まとめ
食べ物を片方の歯で噛むことは、歯や顎関節、筋肉に負担をかけ、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。なるべく両側で均等に噛むよう心がけ、歯と顎を健康に保つことが重要です。もし片側でしか噛めない状態が続く場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。