舌癖がある人とない人で何が違う?マウスピース矯正治療にどのような影響が出てくるのか

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平澤 建太朗
平澤 建太朗
この記事の監修者
医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。

舌癖がある人とない人で何が違う?マウスピース矯正治療にどのような影響が出てくるのか

2025年04月1日

舌癖とマウスピース矯正治療の関係ー改善の重要性とその影響について

1. 舌癖とは?

舌癖とは、舌が不自然な動きをする習慣のことを指します。舌癖の代表的な例には、舌を前歯に押し当てる、舌が前に出てしまう、または口呼吸が習慣化している状態が挙げられます。これらの習慣は、口腔内の筋肉のバランスを崩し、歯並びに深刻な影響を与えることがあります。

舌癖の原因には、遺伝的要因や発育過程、習慣の影響が考えられます。たとえば、口呼吸をしていると、舌の位置が不自然になり、これが歯並びに悪影響を与えることがあります。舌癖はしばしば無意識に行われ、特に子どものころから始まることが多いです。

2. 舌癖が歯並びに与える影響

舌癖があると、歯並びが乱れる原因になることがあります。例えば、舌が前歯に押し当たることで、歯が前方に移動し、前歯が開いたり、歯並びが不安定になります。また、舌癖があると、口呼吸の習慣が強まり、口の中が乾燥しやすくなるため、歯の健康にも悪影響を与えることがあります。

さらに、舌が上顎に正常に接していない場合、上顎の発育が妨げられることがあり、歯列に歪みが生じる原因となります。このような不安定な歯並びは、見た目だけでなく、噛み合わせにも問題を引き起こします。

舌癖  舌癖がある人とない人の違い

舌癖がある人の特徴

a. 歯並びや噛み合わせへの影響

舌癖があると、舌が歯や顎に影響を与え、歯並びや噛み合わせが悪化することがあります。特に、舌前出癖がある人は、上顎の前歯が前に押し出され、出っ歯や不正咬合の原因になります。これにより、見た目だけでなく、噛む際の機能にも問題が生じます。

b. 発音の問題

舌の位置が不適切なため、特定の音を発音するのが難しいことがあります。特に「さ行」や「た行」の音が不明瞭になり、言葉がはっきりしない原因になります。これは、社会的なコミュニケーションにも影響を及ぼすことがあります。

c. 顔の成長に影響

子供の場合、舌癖が顎の成長に影響を与えることがあります。舌が下がっていると、上顎の発育が妨げられ、顔全体のバランスが崩れることがあります。長期間の舌癖は、顎の位置や顔の形を変える要因となります。

3. 舌癖がない場合の歯並びと健康状態

舌癖がない場合、舌は自然に上顎の歯の裏に軽く触れているのが理想的な位置です。この自然な舌の位置は、歯の位置を安定させ、歯並びを保つ役割を果たします。また、鼻呼吸が習慣となっているため、口腔内が乾燥せず、唾液の分泌も促進され、口腔内の健康が保たれます。

舌の位置が適切であれば、顎の発育も正常に進み、歯並びが安定しやすいです。したがって、舌癖のない人は、歯並びが崩れにくく、矯正治療が必要なケースも少ないと言えます。

舌の正しい位置 歯並び噛み合わせへの影響

舌癖がない人の特徴

a. 健康的な歯並び

舌癖がない人は、舌の位置が適切であるため、歯並びが整いやすいです。舌が上顎の屋根に押し付けられることで、歯が正しい位置に成長しやすく、出っ歯や不正咬合のリスクが低減します。

b. 明瞭な発音

舌が適切な位置にあるため、音の発音がクリアです。特に、舌を使った音を正確に発音でき、会話がスムーズになります。これにより、コミュニケーション能力が向上します。

c. 健康的な顔の成長

舌癖がない人は、顎の成長が適切に行われ、顔の骨格がバランスよく発達します。正しい舌の位置は、横顔や正面から見た印象を良くし、全体的な美しさに寄与します。

4. マウスピース矯正治療とは?

マウスピース矯正治療は、透明なマウスピースを使って歯を徐々に動かし、矯正していく方法です。取り外しが可能で、食事や歯磨きがしやすく、目立たないため、近年非常に人気があります。マウスピース矯正は、矯正力が軽いため、治療中の快適さも特徴です。

しかし、マウスピース矯正治療の成功には、着用時間の遵守が不可欠です。通常、1日22時間の装着が推奨されますが、これを守らないと、歯が思ったように動かず、治療効果が薄れてしまいます。

5. 舌癖がマウスピース矯正に与える影響

舌癖がある場合、マウスピース矯正治療の効果が十分に発揮されないことがあります。舌癖があると、舌が無意識のうちに歯に力を加えてしまい、矯正中の歯の移動を妨げる可能性があるためです。このため、舌癖のある患者さんは、矯正治療を進める過程で、治療期間が長くなったり、治療効果が不安定になることがあります。

また、舌癖があると、マウスピースの装着が不快に感じることがあるため、着用時間を確保するのが難しくなることもあります。このような場合、矯正の進行が遅れることがあります。

6. 舌癖改善と矯正治療の両立方法

舌癖が矯正治療に悪影響を与えることがあるため、舌癖の改善は非常に重要です。矯正治療を開始すると同時に、舌癖の改善に取り組むことが、治療効果を高めるための一つの方法です。

舌癖を改善するためには、舌の位置を意識的に正しい場所に保つトレーニングが必要です。口腔筋機能療法(OMT)を取り入れた治療が効果的で、舌の筋肉を正しい位置に戻すことができます。これにより、歯並びの改善が進みやすくなり、マウスピース矯正治療の効果も向上します。

また、舌癖を改善しながら矯正治療を進めることで、治療の安定性が高まり、より早く理想的な歯並びを手に入れることが可能になります。舌訓練と矯正治療を並行して行うことは、治療の成功において非常に重要な要素となります。

7. 舌癖が原因で矯正が困難な場合の代替治療方法

舌癖が強い場合、マウスピース矯正だけでは治療が難しいことがあります。その場合、ワイヤー矯正など他の矯正方法を検討することが重要です。ワイヤー矯正は、舌癖の影響を受けにくく、歯を確実に動かすことができます。

また、舌癖の改善を目的とした専門的なアプローチもあります。例えば、口腔筋機能療法(MFT)は、舌癖の改善とともに矯正治療を進めるための補助的な方法です。この治療を取り入れることで、舌癖による矯正の難しさを克服することができます。

8. まとめ

舌癖があると、歯並びや口腔健康に深刻な影響を与えるだけでなく、マウスピース矯正治療にも悪影響を及ぼすことがあります。舌癖を改善することは、矯正治療を成功させるために非常に重要なステップです。舌癖改善のためのトレーニングや口腔筋機能療法を取り入れ、矯正治療と並行して行うことで、理想的な歯並びを早期に実現することができます。

舌癖の改善を怠ると、治療が長引いたり、効果が薄れる可能性があるため、矯正治療を始める前に舌癖を改善することが理想的です。治療の進行をスムーズにし、より快適で効果的な矯正を目指すために、舌癖の改善を忘れずに取り組んでいきましょう。

 

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