- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
マウスピースを何度作り直しても前歯が閉じない…その原因は「歯」ではないかもしれません
2026年08月8日
「もう一度シミュレーションをやり直しましょう。」
「新しいマウスピースを作成しましょう。」
マウスピース矯正では、治療の途中で歯の動きを確認しシミュレーションを修正することがあります。
しかし、それでも思うように前歯が閉じないケースがあります。
患者さんからは
「何回もマウスピースを作り直しているのに、なぜ治らないのですか?」
というご質問をいただくことがあります。
マウスピースは歯を動かす装置です
マウスピースは歯を理想の位置へ動かすために精密に設計されています。
しかし、歯を動かそうとする力とは反対の力が毎日加わっていると計画どおりに動きにくくなることがあります。
その代表的な原因が舌癖(ぜつへき)です。
舌は毎日、歯に力をかけています
舌は食事のときだけ動いているわけではありません。
会話をするとき。
飲み込むとき。
無意識に口を閉じているとき。
私たちは1日に何百回、何千回と舌を動かしています。
もし舌が前歯を押すクセがあると、その力は毎日繰り返し歯に加わります。
つまり
マウスピースは歯を内側へ動かそうとし、舌は外側へ押そうとしている状態になることがあるのです。
シミュレーションを作り直しても改善しない理由
シミュレーションは、歯の位置を調整するための設計図です。
もちろん必要な修正ですが
舌の使い方が変わらなければ、原因そのものは残ったままです。
例えるなら
傾いた木を何度も支え直しても、強い風が吹き続けていれば、また傾いてしまうのと同じです。
歯並びだけを修正しても、その歯を動かしてしまう原因が残っていては思うような結果につながらないことがあります。
「意識しています」だけでは改善しないこともあります
診察で
「舌は気を付けていますか?」
とお聞きすると
「意識しています。」
というお返事をいただくことがあります。
もちろん、そのお気持ちはとても大切です。
しかし、本当に大切なのは
「正しい舌の位置や飲み込み方が、無意識でもできているかどうか」です。
ご自身ではできていると思っていても実際に確認すると舌が前歯を押していたり、飲み込むときに舌が前へ出ていたりすることは珍しくありません。
だからこそ、当院では何度も確認し、必要に応じてトレーニングも行っています。
私たちが何度も舌のお話をする理由
「また舌の話ですか?」
と思われることがあるかもしれません。
それでも私たちが繰り返しお伝えするのは
患者さんの矯正治療を成功させたいからです。
マウスピースを作り直すこともできます。
シミュレーションを修正することもできます。
しかし、舌の使い方は患者さんご自身と私たちが一緒に改善していくしかありません。
歯並びを整えるだけではなく、その歯並びを長く維持するためにも、舌の位置や飲み込み方はとても大切です。
もし「ちゃんとできているかな?」と不安になったら、いつでもご相談ください。
私たちは歯だけではなく、お口の機能まで含めてサポートしていきます。






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