「口ゴボ(口元のふくらみ」と歯列矯正
2021年07月19日
口ゴボ という言葉を耳にしたことはありませんか?
今回はそんな口ゴボの原因や治療法、疑問について解説していきたいと思います。
■口ゴボ とは
口ゴボとは、歯が前方にあること(出っ歯)で唇が突出し、口元がこんもりと膨らんだように見えることが特徴です。
口ゴボという言葉は専門用語ではないため正確な定義はありませんが、Eライン(横から見たときに鼻の頂点と顎を結んだ線)から口元が大きく突出していると、口ゴボだと悩む方が多いのです。
■口ゴボ の原因
口ゴボの主な原因は、
- ・骨格性のもの
- ・歯並びによるもの
の二つに分けられます。
骨格性によるものは、そもそもの土台(骨)が前方にでている、顎変形症のような症例です。
一方で歯並びによるものは、歯並びの悪さから前歯が前に出て口元が出ているものです。
原因によって治療法が異なるため、レントゲン撮影などを基にした歯科医師の診断をしなければ、判別できないことが多いでしょう。
■遺伝は関係ある?
口ゴボは、歯並び及び顎の骨が大きく関係しています。これら歯並びや顎の大きさは、身長や顔のパーツと同様に遺伝することが分かっています。
有名なのは、かつてヨーロッパを治めていたハプスブルグ家の肖像画です。下の歯が前方に突出してしゃくれている「下顎前突」と呼ばれる特徴が、世代を超えてもなお肖像画に描かれていることが多いのです。
ただし、必ずしも遺伝によって歯並びがきまるというわけではありません。歯並びが悪くなる原因にはこのような「遺伝的要因」と、「環境的要因」があるためです。
環境的な要因の例としては
・食事が柔らかいものばかりで、顎が小さく歯が生えそろうスペースが生まれなかった
・指しゃぶりや舌癖(舌で前歯を押すなど)によるもの
などが挙げられます。
これらは主に顎の成長期及び歯が生え変わる時期である、幼少期に長期的に行われると影響がでるといわれています。
■自力で治す?
単刀直入に申し上げると、骨格・歯並びの問題であることから、口ゴボを自力で直すのは不可能です。
ネットで検索すると、整体やマッサージで治るという情報もありますが、原因を理解すると自力で治すのは無理だということがよくわかりますよね。
骨や歯は、自力で動かすことはできません。
よって、口ゴボを自力で治すなどの情報は、信じないほうが賢明です。
■矯正治療で治る?
矯正治療で口ゴボが改善される方は、大勢いらっしゃいます。
ただ、口元が突出している方の多くは、歯がきれいに並ぶスペースがないことが起因とされています。この状態で歯を抜かず無理に歯を並べると、前歯が後ろに下がらず口元のこんもり感というものも残ってしまうことが多い傾向にあります。
そのため、こういった場合には抜歯を伴う矯正治療となる可能性が高くなります。
当院はマウスピース矯正専門のクリニックですが、「横顔のラインをきれいにしたい」「口元を下げたい」というような方のために、マウスピース矯正の抜歯治療も行っております。マウスピース矯正の抜歯・非抜歯症例を数多く手掛けるドクターの治療計画の下行われるますので、安心してお任せください。
■口ゴボ の直し方
口ゴボの治療法は主に2つあり、
1,歯科矯正
2.外科治療
になります。
大体の方は矯正治療を行うことで、口元の突出感は解消されます。しかし、矯正をしてもご本人様の希望通りのラインにならない場合には、顎の骨を切って治療を行う外科手術をされる方もいらっしゃいます。
ただし、顎の外科治療に関しては、歯科医師が顎変形症などと診断した場合は保険適用となりますが、それ以外は基本的には自費治療となります。
例えば、サージェリーファーストと呼ばれる、外科手術→矯正治療を行う場合も同様です。また、骨を切る美容整形手術も保険が適用されません。
骨格の問題か歯並びの状態かは、レントゲンを撮影するなどの検査をしなければ判断ができないことが多いため、自己判断せずにまずは矯正歯科クリニックに相談するとよいでしょう。
■歯並びはいい口ゴボ?
歯並びが良くても口ゴボになることはあるの?という疑問に対しては、あるといっていいでしょう。
よくある例としては、
・骨格的に口元が前に突出している
・無理な非抜歯治療によって前歯が突出した
です。
たとえ歯を綺麗に並べたとしても、土台の骨が前方にある場合には根本的な解決はできません。
そのため、歯並びが良くても口ゴボがあるといったケースでは、レントゲン撮影後に骨格的な診断をし、どのような選択肢・治療法があるかを診断してもらうのがよいでしょう。
■整形で治る?
顎の整形手術に関しては、かなり慎重に進めた方がよいというのが率直な意見です。
顎にはたくさんの神経が通っており、オペ中に神経が傷ついてしまうことで「痺れ」や「感覚のマヒ」などの後遺症が起こってしまうケースがあります。
もちろんこれは、どの外科手術でも当てはまることですが、所謂骨切り術と呼ばれている、セットバックなどの顎の骨を切るオペは、特にそのリスクが高くなります。
神経や骨の形などを把握するためのCT撮影は必要不可欠ですし、術後は噛み合わせも変わるため、オペ後のこともしっかりと考えてくれるクリニックでないとトラブルになりかねません。
■口ゴボ のトレーニングとは?
口元の突出感において、舌や頬など筋肉のトレーニングは意味を成しません。
ただ、舌を正しい位置に置く、口を閉じて鼻呼吸をする、といった正しいお口のトレーニングは、歯だけでなく口元を守るために重要です。
特に、顎の成長期及び歯の生え変わりの時期である年代では、正しい舌や口唇のトレーニングを行うと、歯並びの悪化などを防ぐともいわれます。
■まとめ
以上のことから、
・口ゴボを自力で治すのは不可能
・治療法は歯列矯正か外科手術
・原因により治療法が異なる
という事になります。
秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニックでは、マウスピース矯正で口元のラインを綺麗にしたいという方の治療も行っております。
矯正で口ゴボを直したいとお考えの方は、お気軽に無料カウンセリングでご相談くださいね。