- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
猛暑日のマウスピース矯正|つけたまま清涼飲料水やスポーツドリンクを飲んでも大丈夫?
2026年08月10日
猛暑日が続く夏は、こまめな水分補給が欠かせません。
特に外出中やスポーツをしているときには、水だけでなくスポーツドリンクや清涼飲料水を飲む機会も増えるのではないでしょうか。
そこでマウスピース矯正中の方からよく聞かれるのが、
「マウスピースをつけたままスポーツドリンクを飲んでもいい?」
「暑い日に毎回マウスピースを外して飲むのは大変……」
「糖分ゼロの飲み物なら大丈夫?」
といった疑問です。
結論からいうと、マウスピースを装着した状態で日常的に飲むものは、水を基本にすることをおすすめします。
ただし、猛暑日に「マウスピースを外すのが面倒だから」と水分補給そのものを我慢するのは避けなければなりません。
今回は、マウスピース矯正中の夏の水分補給について、清涼飲料水やスポーツドリンクに注意したい理由とあわせて解説します。

猛暑日はマウスピース矯正中でも水分補給が最優先
まず覚えておきたいのが、矯正治療よりも身体の安全が優先ということです。
暑い環境では、自分では気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。そのため、喉が渇いてから一気に飲むのではなく、こまめな水分補給が重要です。
厚生労働省も、暑い環境では自覚症状の有無にかかわらず定期的に水分・塩分を摂取するよう案内しています。
マウスピース矯正では装着時間を守ることが大切ですが、
「マウスピースを外したくないから飲まない」
「装着時間が短くなるから水分補給を我慢する」
という行動はおすすめできません。
特に屋外での活動や運動など、熱中症の危険がある場面では、必要な水分・塩分補給を優先してください。
マウスピースをつけたまま清涼飲料水を飲んでも大丈夫?
マウスピースを装着したまま日常的に飲むのであれば、基本的には水がおすすめです。
注意したいのは、次のような飲み物です。
・スポーツドリンク
・ジュース
・炭酸飲料
・エナジードリンク
・加糖のコーヒーや紅茶
・フレーバー付き飲料 など
「透明な飲み物なら大丈夫」と思われることがありますが、色だけで判断することはできません。
ポイントとなるのは、飲み物に含まれる糖分や酸です。
なぜマウスピースと清涼飲料水の組み合わせに注意が必要?
通常、私たちの口の中では唾液が汚れを洗い流したり、酸性に傾いた口内を中性に戻したりする働きをしています。
しかしマウスピースは歯列全体を覆っています。
その状態で糖分や酸を含む飲み物を飲むと、飲料がマウスピースと歯の間に入り込む可能性があります。
①虫歯のリスク
糖質を摂取すると、歯垢の中の細菌が糖質を利用して酸を作り出します。
この酸によって歯のエナメル質からミネラルが溶け出す「脱灰」が起こり、これが繰り返されると虫歯につながります。
特に気をつけたいのが、清涼飲料水を何時間もかけて少しずつ飲む「ダラダラ飲み」です。
糖質を頻繁に摂取する習慣は、歯にとって好ましくない環境が続く原因となります。
②清涼飲料水に含まれる「酸」にも注意
「砂糖が入っていなければ大丈夫なのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、糖分だけでなく飲み物の酸性度にも注意が必要です。
日本歯科医師会も、清涼飲料水やスポーツ飲料などの酸によってエナメル質がダメージを受けることがあると説明しています。
つまり「ゼロカロリー」「砂糖不使用」という表示だけで、マウスピースをつけたまま飲んでも問題ないとは判断できません。
③マウスピースの着色につながることも
透明なマウスピースは、飲み物によって着色する場合があります。
コーヒーや紅茶などはもちろん、色の濃い飲料にも注意しましょう。
マウスピースの透明感を保ちたい場合にも、装着中は水を基本とするのがおすすめです。
スポーツドリンクなら熱中症対策だから大丈夫?
夏に特に迷いやすいのがスポーツドリンクです。
スポーツドリンクは暑い環境での水分・塩分補給に活用される一方、商品によっては糖分や酸を含んでいます。
そのため、
「スポーツドリンク=マウスピースをつけたまま自由に飲んでOK」
というわけではありません。
可能な状況であれば、マウスピースを外して飲み、その後口腔内を清潔にしてから再装着するのがよいでしょう。
ただし、炎天下で体調に異変を感じているときなどは話が別です。
めまい、大量の発汗、立ちくらみ、筋肉のけいれんなど熱中症が疑われる状況では、マウスピースのことを気にして必要な水分補給を遅らせないでください。
清涼飲料水を飲みたいときはどうする?
マウスピース矯正中に清涼飲料水やスポーツドリンクを飲みたい場合は、次のような流れを意識しましょう。
①可能であればマウスピースを外す
↓
②飲み物を飲む
↓
③可能な環境なら口腔ケアをする
↓
④マウスピースを再装着する
外出先ですぐに歯磨きができない場合には、水で口をすすぐなど、できる範囲で対応しましょう。
そして帰宅後には、歯とマウスピースを適切にケアしてください。
もちろん、飲むたびに長時間マウスピースを外していると、今度は1日の装着時間が不足してしまいます。
「外す時間をできるだけまとめる」「飲み終わったら必要以上に外したままにしない」など、装着時間を確保する工夫も必要です。
「少しずつ飲めば大丈夫」は要注意
暑い日にペットボトルのスポーツドリンクを持ち歩き、数時間かけて少しずつ飲んでいる方もいるでしょう。
熱中症予防としてこまめな水分補給は大切です。
しかし歯の健康という観点では、糖分や酸を含む飲料を長時間にわたって頻繁に口にすることには注意が必要です。
マウスピースを装着したまま甘い飲み物をダラダラ飲むことは避け、普段の水分補給には水を活用し、状況に応じて必要な飲料を取り入れるようにしましょう。
猛暑日のマウスピース矯正で覚えておきたいこと
夏のマウスピース矯正では、飲み物以外にも注意したいことがあります。
まず、マウスピースを外した際は必ずケースに入れましょう。
ティッシュに包んで置いておくと、そのまま捨ててしまったり紛失したりする原因になります。
また、マウスピースは熱の影響を受ける可能性があるため、真夏の車内など高温になる場所への放置は避けましょう。洗浄するときにも熱湯ではなく、クリニックから案内された方法でお手入れしてください。
夏は旅行やレジャーなどで生活リズムも変化しやすく、装着時間が不足しやすい季節でもあります。
水分補給と口腔ケア、そして装着時間の3つを意識して過ごしましょう。
まとめ|猛暑日は水分補給を優先!装着中は「水」を基本に
マウスピース矯正中でも、猛暑日に水分補給を我慢する必要はありません。
むしろ、熱中症を防ぐために必要な水分・塩分補給を優先することが大切です。
一方で、マウスピースをつけたままスポーツドリンクやジュース、炭酸飲料などを日常的に飲むことはおすすめできません。
普段の水分補給は水を基本とし、糖分や酸を含む飲み物を飲む場合には、可能であればマウスピースを外して飲み、適切な口腔ケアをしてから再装着しましょう。
「この飲み物は飲んでも大丈夫?」
「外出中はどうしたらいい?」
「スポーツをしていて頻繁に水分補給が必要」
など、生活スタイルによって対応に迷う場合は、自己判断せず矯正治療を受けているクリニックへ相談してみてください。
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