- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
マウスピース矯正で再スキャンが必要になるのはなぜ?型の取り直しが必要な5つの理由
2026年10月27日
マウスピース矯正で再スキャンが必要になるのはなぜ?型の取り直しが必要な5つの理由
マウスピース矯正を進めている途中で、歯科医師から「もう一度スキャンをしましょう」と言われたことはありませんか?
「最初に歯型を取ったのに、どうしてまた必要なの?」
「予定通りに治療が進んでいないということ?」
「再スキャンすると治療期間が延びるの?」
このように、不安や疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、再スキャンが必要になったからといって、必ずしも矯正治療が失敗しているわけではありません。
マウスピース矯正では、治療途中の歯の状態を確認し、必要に応じて治療計画を調整することがあります。
今回は、マウスピース矯正で再スキャンが必要になる5つの理由と、再スキャン後の流れ、治療期間への影響について詳しく解説します。
1. マウスピース矯正の「再スキャン」とは?
再スキャンとは、矯正治療の途中で歯並びや噛み合わせの状態を改めて記録することです。
マウスピース矯正では、治療開始前に口腔内スキャナーなどを使用して歯の形や位置をデータ化し、その情報をもとに治療計画を立てます。
しかし、実際の歯の動きが最初のシミュレーションと完全に一致するとは限りません。
そこで、現在の歯並びを再度スキャンし、必要に応じて新しいマウスピースを作製することがあります。
従来の粘土のような材料を使った歯型取りとは異なり、口腔内スキャナーでは小型のカメラを使って歯の形を読み取ります。
ただし、医院の設備や治療内容によっては、従来の方法で歯型を取り直す場合もあります。
再スキャンは、現在の歯の状態に合わせて治療を見直すための大切な工程なのです。
2. 再スキャンが必要になる5つの理由
理由① 歯が計画通りに動いていない
マウスピース矯正では、歯を少しずつ移動させるように設計されたマウスピースを順番に使用します。
しかし、歯の動き方には個人差があります。
例えば、
- 歯の回転が予定より進んでいない
- 奥歯の移動が十分ではない
- 特定の歯だけ動きが遅れている
- 歯の傾きが計画と異なっている
といったケースです。
このような状態で次のマウスピースへ進み続けると、設計された歯の位置と実際の歯の位置にズレが生じる可能性があります。
ズレが大きくなった場合は、再スキャンによって現在の歯並びを記録し、治療計画を修正することがあります。
理由② マウスピースが歯に合わなくなった
マウスピースを装着したとき、歯とマウスピースの間に隙間ができることがあります。
これは一般的に「マウスピースの浮き」と呼ばれる状態です。
特に、
- 前歯の先端に隙間がある
- 奥歯がしっかりはまらない
- 片側だけ浮いている
- 新しいマウスピースが入りにくい
といった症状が続く場合は注意が必要です。
交換直後には多少のフィット感の違いが生じることもありますが、浮きが改善しない場合は、歯の移動が計画に追いついていない可能性があります。
ただし、マウスピースが浮いているからといって、必ず再スキャンが必要になるわけではありません。
装着方法や使用期間の調整で対応できる場合もあるため、まずは歯科医師による確認が重要です。
理由③ 装着時間が不足していた
マウスピース矯正では、決められた装着時間を守ることが重要です。
一般的には1日20〜22時間程度の装着が目安とされますが、実際には使用する装置や歯科医師の指示によって異なります。
例えば、
「食事のあと、つけ忘れることが多かった」
「仕事中に長時間外していた」
「休日は装着時間が短くなっていた」
このような状況が続くと、歯が予定通りに移動せず、次のマウスピースが合わなくなることがあります。
ズレが大きくなった場合には、再スキャンと治療計画の見直しが必要になることもあります。
再スキャン後も同じ状態を繰り返さないためには、装着時間や交換スケジュールを改めて確認することが大切です。
理由④ 噛み合わせの調整が必要になった
歯並びがきれいに見えていても、噛み合わせの調整が必要な場合があります。
例えば、
- 左右で噛み合わせに差がある
- 前歯がうまく噛み合わない
- 奥歯の接触が不十分
- 一部の歯だけ強く当たる
といった状態です。
矯正治療では、歯の見た目だけでなく、上下の歯がどのように接触するかも重要な確認項目です。
治療が進むにつれて噛み合わせが変化するため、必要に応じて再スキャンを行い、細かな位置調整を目的とした追加マウスピースを作製することがあります。
理由⑤ 治療の仕上げや追加調整が必要になった
マウスピース矯正では、最初に予定していたマウスピースをすべて使い終えたあとに、追加の調整を行うことがあります。
例えば、
- 前歯のわずかな傾きを整えたい
- 歯と歯の隙間をさらに調整したい
- 歯の高さや位置を微調整したい
- 噛み合わせをより適切な状態に整えたい
といったケースです。
このような仕上げの調整では、現在の歯並びを再スキャンし、追加アライナーを作製することがあります。
つまり、再スキャンは治療途中のトラブルへの対応だけでなく、治療の仕上がりを確認し、必要な調整を行うためにも実施されるのです。
3. 再スキャン後の治療はどう進む?
再スキャンを行った場合、一般的には次のような流れで治療を進めます。
① 現在の歯並びを確認する
歯科医師が歯の移動状況や噛み合わせ、マウスピースの適合状態を確認します。
② 歯型を再スキャンする
口腔内スキャナーなどを使用し、現在の歯並びを記録します。
③ 治療計画を見直す
取得したデータをもとに、必要な歯の移動や追加調整を検討します。
④ 必要に応じて追加マウスピースを作製する
新しい治療計画に合わせて追加アライナーを作製します。
⑤ 新しいマウスピースで治療を進める
追加マウスピースが届いたら、歯科医師の指示に従って装着を開始します。
なお、新しいマウスピースが届くまでの間も、現在のマウスピースを継続して使用するよう指示される場合があります。
自己判断で装着を中止せず、歯科医院の案内に従いましょう。
4. 再スキャンすると治療期間は延びる?
再スキャンを行った場合、治療期間が延びることはあります。
ただし、再スキャンそのものが必ず治療期間の延長につながるわけではありません。
治療期間への影響は、追加で必要になる歯の移動量やマウスピースの枚数、作製期間などによって異なります。
また、治療計画の中に追加調整を見込んでいる場合もあります。
重要なのは、単に予定通りの枚数を使い終えることではなく、歯並びや噛み合わせを適切な状態に整えることです。
治療期間が気になる場合は、再スキャンの目的と追加調整の見込みについて歯科医師に確認するとよいでしょう。
5. 再スキャンをできるだけ防ぐためにできること
すべての再スキャンを防げるわけではありませんが、日頃のマウスピースの使い方を見直すことで、計画とのズレを減らせる可能性があります。
装着時間を守る
歯科医師から指示された装着時間を守り、外したままの時間が長くならないようにしましょう。
自己判断で交換を早めない
次のマウスピースへ進むタイミングは、治療計画に基づいて決められています。
予定より早く交換したり、合わない状態で無理に進めたりすることは避けましょう。
マウスピースの浮きを確認する
装着時に大きな隙間がないか、左右でフィット感に違いがないかを確認しましょう。
浮きが続く場合は、次のマウスピースへ進む前に歯科医院へ相談してください。
定期的な診察を受ける
自分では順調に感じていても、歯の移動状況や噛み合わせに調整が必要な場合があります。
定期的な診察を受け、治療の進み具合を確認することが大切です。
6. 再スキャンを指示されたら確認しておきたいこと
再スキャンが必要と言われた場合は、次の点を確認しておくと安心です。
- 今回、再スキャンが必要になった理由
- 追加マウスピースが必要かどうか
- 治療期間にどの程度影響する可能性があるか
- 新しいマウスピースが届くまでの装着方法
- 追加費用が発生するかどうか
追加費用の有無は、契約内容や使用している矯正システムによって異なります。
不明な点があれば、そのままにせず歯科医院に確認しましょう。
まとめ|再スキャンは治療を適切に進めるための大切な工程
マウスピース矯正で再スキャンが必要になる主な理由は、次の5つです。
- 歯が計画通りに動いていない
- マウスピースが歯に合わなくなった
- 装着時間が不足していた
- 噛み合わせの調整が必要になった
- 治療の仕上げや追加調整が必要になった
再スキャンは、必ずしも治療が失敗したことを意味するものではありません。
現在の歯並びを正確に把握し、必要に応じて治療計画を見直すことで、より適切な治療につなげるための工程です。
マウスピースの浮きやフィット感の変化、歯の動きに不安を感じた場合は、自己判断で進めず歯科医師に相談しましょう。
秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニックでは、マウスピース矯正についてのご相談を受け付けています。
治療中の疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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