矯正治療での抜歯/はよくない?抜歯/非抜歯のメリットとデメリット
2022年04月25日
当院では抜歯ケースも数多く手掛けていますが、矯正治療では真ん中の歯(小臼歯)を抜歯して歯を並べることも決して少なくありません。
このような抜歯でよく「あまりよくないのでは?」「健康な歯だから抜きたくない」といった方も多くいらっしゃることでしょう。
今回はそのような疑問や不安を払拭するため、矯正歯科における抜歯について、細かく紹介していきたいと思います。
そもそもなんで抜くの?
一番多いのは「歯を並べるスペースがないから」です。成人矯正の場合顎が成長済であるため、土台である顎の大きさはどうすることもできません。この顎が小さいことで歯がガタガタになってしまうという方も多くおり、このようなケースでは抜歯が「提要されることが多いのです。無理に並べてしまうと、前歯が突き出るような形ちょなり、歯並びがきれいでも口元が突出してしまうというケースも少なくありません。
どの歯を抜く?
八重歯の方は、外側に出た八重歯「犬歯」を抜くと思っている方も多くいらっしゃいますが、基本的には前から四番目の歯(第一小臼歯)を抜きます。その奥の歯(第二小臼歯)が虫歯になっていて、4番目の歯が健全だった場合には、虫歯の5番目の歯を抜いて健康な4番目を残すといったこともあります。
抜歯のメリット・デメリット
メリット①Eラインがきれいになる
顔を横から見た時、鼻の先と顎の先を結んだ線をEラインと呼びます。歯並びが前突気味で、口元が前に出ていると、このEラインから口元が大きく出てしまいますが、歯を抜いて並べると抜いた分を後ろに下げることができ、治療後にEラインの大幅な改善がみられます。特にEラインを気にされて矯正治療を検討している方の場合、抜歯になる可能性がかなり高くなるといってよいでしょう。
メリット②歯がきれいに並ぶ
ひとつのベンチに座れる人数に限りがあるように、顎の骨の大きさにも限界があり、無理に並べようとすると、歯ぐきがさがったり、歯の根っこが短くなってしまうというリスクが生じてしまいます。しかし、歯を抜いてしっかりとスペースを確保してあげると、歯は無理なくきれいに並び、後戻りも起こりにくくなります。
メリット③治療がスムーズに進む
抜歯が必要なケースを抜歯せずに進めるためには、歯列を広げたり、様々な準備が必要になります。一方、抜歯をして必要なスペースを確保して上げる場合、歯は自然と動きやすくなり、抜いた隙間を埋める期間は必要でありますが、仕上がりも綺麗で自然な印象になります。
デメリット①抜歯時に痛みがある
個人差はありますが、抜歯後に麻酔が切れた後は出血及び痛みが生じる可能性があります。麻酔を使用するため、抜いている最中に痛みがでることはありませんが、処置後に炎症で痛みがでるケースも多いため、処方された痛み止めを飲んで過ごしていただければ、次第に痛みは治まりますので、あくまで一時的なものだと考えていただいてよいでしょう。
デメリット②治療期間が長くなる
歯を抜いた分、そのほかの歯の移動量も大きくなり、抜いた歯のスペースが完全に閉じるのは、マウスピース矯正やワイヤー矯正どれにもいえることですが、治療の終盤であることが多いです。このように移動量が多く歯の隙間をとじる必要がある分、治療期間は歯を抜かないケースよりも長くなる傾向があります。
デメリット③歯が少なくなる
歯を抜くと当然ですが、歯の本数が少なくなります。これは、患者様によって気にされる方と気にされない方がいらっしゃるため、全ての方にデメリットとして当てはまるという訳ではありませんが、結果としては歯の本数は抜いた分だけ減ってしまいます。ただし、本数が少なくなったからといって、将来不都合が出てきたり、噛む力が衰えてしまうわけではありませんので、その点はご安心ください。
デメリット③隙間が目立つ
矯正治療中は、抜いた歯のスペースが目立ってしまうことがあります。また、半分ほど閉じてきた時期には、食べ物が挟まるといったこともでてきます。
ただ、当院はマウスピースを装着していただきますので、マウスピースを含めよく見なければあまり気になるものではありません。また、個人差はありますが半年ほどで抜いた歯の隙間が次第に気にならなくなってくることが多いので、これは一時的なデメリットとなります。
いかがでしたか?
当院では抜歯、非抜歯どちらも対応できる症例の場合、メリットとデメリットを詳しくお話し、患者様ご本人にお選びいただいております。診断には精密なレントゲン写真から分析した結果をお話できますので、どうぞご安心くださいね 。
非抜歯矯正の詳細は非抜歯での歯列矯正をご覧ください。