- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
2021年07月9日
こんにちは、秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニックです。今回は「マウスピース矯正のメリット・デメリット」についてお話したいと思います。
マウスピース矯正とはその名の通り、マウスピースを順番に交換していくことで歯を動かす矯正治療法です。歯へかける力のアプローチ方法は若干異なるものの、歯が動く原理・仕組みはワイヤー矯正と変わりません。
マウスピース矯正のメリット
▼目立ちにくい
マウスピースは見てわかるように透明で、装着中も非常に目立ちにくい矯正装置です。最近はマスクの影響でワイヤー矯正を選択する方も多いですが、リモートでの打ち合わせや写真撮影、結婚式などのイベントに向けて、透明で目立ちにくいマウスピース矯正を始める方も多くいらっしゃいます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正でお悩みの方も、当院にてお気軽にご相談ください。
▼食事、歯磨きに制限がない
マウスピース矯正は取り外しが可能であるため、食事や歯磨きに制限がありません。
例えばワイヤー矯正では、フロスを通すのが難しかったり、丸かじりするような食べ物は控えたりする必要があります。一方マウスピース矯正は、食事も歯磨きも治療前と同じように行うことができますので、虫歯のリスクが低く、食事のストレスも少なく済みます。
▼痛みが少ない
以前の記事でもご紹介したように、マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べると、治療中の痛みが少ない傾向にあります。歯を動かしているため、痛みが全くないということではありませんが、「矯正治療中の痛みに耐えられるか心配…」といったような方でも安心です。
▼通院回数が少ない
マウスピース矯正で通院時に主に行うことは、計画通りに歯が動いているかの経過観察、アタッチメント(歯の表面に装着する突起物)が脱落していないかです。ワイヤー矯正では、ワイヤーや装置にかけるゴムの交換、調整を行わなければならないため、月に1度は通院するのが一般的です。
当院で取り扱っているマウスピース矯正は、患者様にマウスピースを交換していただくことで、この調整を行うイメージです。
当院では、通院は基本的に2か月に1回、また、通院をオンラインと直接の来院どちらかをお選びいただけます。今回は忙しいからオンラインにして、次回は来院するといった自由な来院が可能です。
※アタッチメントが外れた場合などは随時来院していただくことがございます。
▼歯の型どりが楽
歯医者さんでピンクの粘土を使い、歯の型どりをしたことはありませんか?
当院のマウスピース矯正は、そのような型どりではなく、口腔内スキャナーという従来の型どり方法よりも精密で負担の少ない方法でお取りしております。この方法は患者様の負担やストレスが減少されるだけでなく、従来のものと違い
- ・変形を起こさないので、精密な歯型が取れる
- ・データを直接送ることができるため、マウスピース矯正の完成が早い
などのメリットがあります。
マウスピース矯正のデメリット
▼22時間以上の装着時間を守らなくてはならない
マウスピース矯正のゴールは、マウスピースの装着時間に大きく左右されます。矯正治療中の歯はとても動きやすく、たった一日でもサボると歯は元の位置に戻ろうと動いてしまいます。歯が動いてしまうとまたそこからのスタートとなり、治療期間が延びてしまうため、正しい装着と時間の厳守ができない場合には、マウスピース矯正はおすすめできません。
▼表側のワイヤー矯正に比べると期間が長い傾向にある
歯の表側にブラケットと呼ばれる装置をつけるワイヤー矯正とマウスピース矯正を比べると、どうしても後者のマウスピース矯正の方が治療期間が長い傾向にあります。
そのため当院では、マウスピース矯正特有の治療期間の長さを解消するため、光加速装置の使用をお願いしております。こちらも毎日使用していただくものですので、マウスピース同様に使用時間を守っていただくことが重要です。
▼アタッチメントと呼ばれる突起物が歯に着く可能性がある
アタッチメントは、歯の表面に装着する透明な突起物です。よりマウスピースをフィットさせること、歯への矯正力のコントロールを目的としています。場所や個数はひとりひとり違い、どの歯に何個付くか、というのは治療計画を立てた後でないとわからないため、カウンセリングの段階で「この歯に着きます」お伝えすることはできません。
しかし、歯の表面に着くといっても、透明で小さいためほとんど目立ちません。写真もよほどアップで撮らない限りは影響がないので、友人や恋人、家族との写真を撮る場合でも、いつも通り歯を出して笑ってお過ごしいただけます。
▼自己管理が必要
上記の装着時間と同様に、マウスピース矯正では決められた期間でのマウスピース交換が必要不可欠です。
また、当院では加速装置の使用もお願いしております。このような自己管理がマウスピース矯正では欠かせないため、自己管理のできる環境及び性格でないと、治療完了までの道のりがひどく長いものになってしまいます。取り外しのできないワイヤー矯正は、歯磨き、ゴムかけ(顎間ゴム)以外での自己管理は特に必要ではないので、そのようなデメリットもしっかりとお伝えしたうえで治療を行います。
マウスピース矯正はこんな人に向いています
- ・仕事の関係上、装置が見えると不都合
- ・結婚式が決まり、前撮りなども行う予定である
- ・持病や既往歴があり、定期的に病院でMRIなどの撮影をしている
- ・金属アレルギーの恐れ、またはアレルギーを持っている
- ・粘土のような型どりが苦手、気持ち悪くなる(嘔吐反射がある)
- ・家庭や仕事の関係で頻繁に通院するのが難しい
当院では、カウンセリング時や診断時に、このようなデメリットやリスクをしっかりとご説明しております。「マウスピース矯正の種類が多すぎてわからない」「どんな治療かいまいちわからない」といった方も、まずは一度当院にてご相談ください。