マウスピース矯正でも抜歯はする?
2021年07月6日
こんにちは、秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニックです。今回は矯正治療において重要な鍵である、「抜歯の有無」についてお話いたします。
マウスピース矯正だけでなく、矯正治療においては抜歯をするかしないかは、担当医師の考えや判断によって異なる場合があり、レントゲン撮影を含む精密検査をするまでは、一概に「抜かなくていい」「抜かなければならない」とは言えません。
当院では、矯正治療において抜歯が不可欠である患者様には、診断後にご了承いただいたうえで抜歯をしていただいております。しかし、抜歯をしてもしなくても治療ができるといった場合には、検査後の診断時にどちらかお選びいただいておりますので、こちらが勝手に治療を決めて進めるといったことはいたしません。安心してご来院ください。
抜歯のデメリット
では抜歯をして矯正治療をする場合には、どのようなデメリットがあるでしょうか?
- ・抜いた後痛みがでることがある
歯を抜いたあとは基本的に痛み止めが処方されるため、痛みがひどく出てどうしようもないといったようなことはありません。しかし、抜歯した穴の中にかさぶたができる十分な血の量が足りなかったり、できたかさぶたが剥がれてしまい痛みが出る「ドライソケット」という症状がでることがあります。このドライソケットはずっと続く訳ではなく、適切な処置で治癒が可能です。
- ・抜歯料金が自費負担となる
親知らずではなく、審美目的での抜歯は保険が適用されないため、基本的には自費負担となります。
当院ではかかりつけ医での抜歯をしていただくか、ご紹介する医院様で抜歯をしていただいております。かかりつけの歯医者がなくてどこへ行ったらいいのかわからない、といった場合でもご心配はいりません。
- ・治療期間が長くなる
抜歯ケースは歯を抜いた隙間を埋める分、治療期間は長くなります。これはマウスピース矯正だけでなく、ワイヤー矯正も同様です。当院ではアライナーと加速装置の使用時間にもよりますが、これらが十分にできた場合の治療期間は、
抜歯あり→2年半
抜歯なし→2年以内
が目安となっています。
抜歯のメリット
逆に抜歯をすることのメリットも存在します。
- ・Eライン(横顔のライン)が改善することが多い
顔を横から見たときに、鼻の頂点から顎を結んだ線をEラインといい、この線の中に唇が収まるのが理想的な横顔だといわれています。
抜歯をする場合、歯が無理なく並ぶことで口元の突出感がなくなり、このEラインの改善にもつながります。特に女性の方は、この横顔における口元を改善したいと抜歯をする方も多いです。
どこを抜くの?
基本的に矯正治療で抜歯をする場合には、前歯から数えて4番目の歯を抜きます。
ただ、大人になっても乳歯が残っている方(乳歯晩期残存)などは、その乳歯を抜くことでスペースを確保することができます。
また、5番目の歯に虫歯があり、4番目の歯の方が健康であった場合、前者の5番目を抜くこともあるので、必ずしも4番目の歯を抜かなければならないといったことはありません。
歯は何本抜くの?
最も多いのは、「上下合わせて4本」です。片方のみが大きく前に出ている場合は別として、上下どちらかの歯のみを抜歯して治療すると、どうしても前後のバランスが崩れてしまいます。
また、左右も基本的には同じ本数を抜きます。これは「正中」と呼ばれる真ん中の線を、上下でしっかりと合わせるためです。
ただし、歯並びがひとりひとり違うように、治療計画もケースによって異なります。
この歯並びだから絶対にこの治療法、といったものはなく、患者様のに最も適した治療法をお伝えしておりますので、自己判断せずにまずは一度カウンセリングにてご相談ください。
無理に非抜歯で進めるとどうなるか
前歯が突出してしまうことが多い
スペースが十分に確保できないまま歯を並べると、前歯が前に出てしまうことが多くあります。前歯が出ると横顔のラインをきれいにするのは難しくなりますので、この横顔のライン改善を希望している場合には、無理な非抜歯治療はおすすめできません。
後戻りしやすくなる
抜歯適用の歯並びを無理に非抜歯で進めると、歯を無理な位置に並ばせなければいけません。歯は治療後も、元の位置に戻ろうと動こうとします。無理な非抜歯治療の場合、この後戻りが起こりやすくなるのです。
ただし、一番重要なのは「抜いたか抜いていないか」ではなく、歯並びを安定させる保定期間中にしっかりと保定装置を装着しているかになります。当院では治療後もしっかりとご説明・サポートいたしますので、ご安心ください。
矯正治療を始めるにあたって、一番気にかかるには「歯を抜くか、抜かないか」ですよね。
健康な歯を抜くのは誰でも抵抗があると思いますが、抜歯の有無はCT撮影を含む精密な検査をしなければ判断ができません。当院では抜歯の有無をカウンセリングの際に断言できませんが、抜いた場合の流れや期間などは詳しくお話しております。
マウスピース矯正をご検討中の方は、お気軽にご相談くださいね。