
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
矯正したら噛み合わせが悪くなった?
2025年04月11日
マウスピース矯正 噛み合わせが悪くなるのか?
1. マウスピース矯正とは?基本的な仕組みとメリット
マウスピース矯正は、歯列矯正の一つの方法で、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を徐々に正しい位置に移動させます。従来のワイヤー矯正と比べて、目立たず、痛みが少ないという特徴があります。
マウスピース矯正のメリット
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目立たない:透明なため、周囲からほとんど気づかれません。
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取り外し可能:食事や歯磨きの際に取り外せるため、衛生的に保つことができます。
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快適性:金属ワイヤーを使用しないため、口内の違和感や痛みが少ないです。
2. 噛み合わせの問題とは?
噛み合わせ(咬合)は、上下の歯がどのように接するかに関わる問題です。理想的な噛み合わせは、上下の歯がしっかりと合わせ、均等に力が分散される状態です。
噛み合わせの問題
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過蓋咬合(上下の歯が深くかみ合っている状態)
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開咬(前歯が合わず、後ろの歯だけが接触する状態)
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交差咬合(上の歯が下の歯を覆いかぶさる、または逆の状態)
これらの問題があると、歯や顎に負担がかかり、噛み合わせが悪化する原因となります。
3. マウスピース矯正が噛み合わせに与える影響
マウスピース矯正は、歯並びの改善を目指して歯を徐々に動かしますが、噛み合わせにも影響を与えます。矯正中に噛み合わせが改善される場合もあれば、悪化することもあります。
良い影響
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噛み合わせの改善:歯並びが整うことで、噛み合わせが改善されることがあります。
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顎の負担軽減:不正な噛み合わせによって生じる顎への負担を軽減することができます。
悪影響
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途中で噛み合わせが不安定になることがある:矯正中に歯が動く過程で、一時的に噛み合わせが悪くなることがあります。
4. 噛み合わせが悪くなる可能性はあるのか?
マウスピース矯正中に噛み合わせが悪化するリスクは、完全にゼロではありません。矯正計画が不適切であったり、マウスピースを適切に使用しない場合、噛み合わせが悪化することがあります。
噛み合わせが悪化する原因
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矯正器具の使用不良:マウスピースを適切に装着していない、または指示通りに使用しないことが原因で、予期しない動きが生じる場合があります。
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矯正中の途中変更:歯の移動が順調に進まない場合、途中で計画を変更する必要があり、その結果、噛み合わせが一時的に悪化することがあります。
5. 悪化を防ぐためにはどうすれば良いか?
噛み合わせの悪化を防ぐためには、正しい矯正計画と適切なケアが重要です。
予防策
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定期的な診察:矯正治療中は定期的に歯科医師にチェックしてもらうことが大切です。歯の動き具合を確認し、必要に応じて計画を修正します。
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マウスピースの適切な使用:指定された時間通りにマウスピースを使用し、食事や飲み物の際に取り外すことを徹底しましょう。
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指示に従う:歯科医師の指示に従い、必要な場合は追加の治療(ワイヤー矯正など)を受けることも考慮します。
6. 噛み合わせが悪くなった場合の対策は?
万が一、噛み合わせが悪化した場合でも、対策はあります。
対策方法
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再調整:矯正治療を再調整することによって、噛み合わせを改善することが可能です。歯科医師と相談し、最適な方法を決めましょう。
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補助的な治療:必要に応じて、ワイヤー矯正や他の補助的な治療法を加えることで、噛み合わせを改善することができます。
7. まとめ: マウスピース矯正と噛み合わせの関係を理解する
マウスピース矯正は、歯並びを整えるために有効な手段ですが、噛み合わせへの影響も考慮する必要があります。使用方法を守ることで、噛み合わせの悪化を防ぐことができます。治療中に不安な点があれば、病院としっかりコミュニケーションを取り、必要に応じて調整を行うことが大切です。