- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
骨代謝とは?
2025年03月4日
骨代謝とは、骨の形成(骨生成)と骨の破壊(骨吸収)がバランスを取って進む過程です。骨は常に新陳代謝を行い、古い骨が分解され、新しい骨が形成されています。このプロセスは、骨の健康を保ち、外部からのストレスや圧力に適応するために重要です。
矯正治療における骨代謝の重要性は非常に高いです。歯科矯正は、歯を移動させることで歯並びや噛み合わせを改善する治療法ですが、この過程で歯の周りの骨(歯槽骨)や歯茎の変化が関わっています。そのため、骨代謝の理解が矯正治療の効果に直結します。

矯正治療における骨代謝の役割
歯科矯正では、歯に圧力をかけることによって歯を移動させます。この圧力が歯の周りの骨にも影響を与え、骨代謝が活発に行われます。具体的に言うと、矯正力を加えた部分では「骨吸収(骨が溶ける)」が起こり、圧力がかかっていない反対側では「骨形成(新しい骨が作られる)」が進みます。
1. 歯の移動
矯正装置が歯に力を加えると、歯の周りの歯槽骨に変化が生じます。この力がかかっている側では、骨の吸収が進み、歯がその方向に動きます。一方、力がかかっていない反対側では、新しい骨が生成されます。この骨のリモデリング(再構築)を通じて、歯が目的の位置に移動します。
- 歯の移動メカニズム:矯正治療は、この骨代謝の過程を利用して歯を計画的に移動させます。圧力がかかることで歯槽骨が吸収され、圧力が少ない側では新しい骨が作られます。これにより、歯が順調に移動していくのです。
2. 骨代謝の影響を受けやすい時期
骨代謝は、年齢や体調、生活習慣に影響を受けます。特に子供や若年層では骨の成長が活発で、骨代謝が早いため、矯正治療が比較的スムーズに進みます。若い人は骨が柔軟で、歯を移動させる際の抵抗が少なく、効果的に歯並びを整えることができます。
一方、成人になると骨の代謝が遅くなり、骨の硬さや強度も増すため、治療に時間がかかる場合があります。しかし、成人でも矯正治療は可能であり、骨代謝を促進させる方法や治療法(例えば、低出力レーザー治療や振動療法など)が進んでいるため、成人の矯正も効果的に行えます。
3. 骨代謝と治療期間
矯正治療の進行は、骨代謝の速度に大きく影響されます。骨吸収と骨生成のバランスが取れた状態で治療を行うことが重要です。過度に強い力を加えすぎると、骨の吸収が進みすぎて、骨が不安定になることがあるため、適切な矯正力をかけることが大切です。
また、治療期間中に骨代謝を促進する方法が研究されており、例えば軽い運動や、特定の栄養素(カルシウム、ビタミンD、コラーゲンなど)が骨の健康を保つために重要だとされています。
4. 骨の健康と矯正治療のリスク
骨の健康状態が悪い場合(例えば、骨粗鬆症などの病状がある場合)、矯正治療の進行に影響を与えることがあります。骨がもろくなると、歯の移動が難しくなったり、歯槽骨が不安定になる可能性があります。そのため、矯正治療を行う前に、歯の健康状態や骨の状態を確認することが重要です。
5. 骨代謝を促進する方法
矯正治療を行うにあたり、骨代謝をサポートするためには以下の方法が効果的とされています。
- 適切な栄養摂取:カルシウムやビタミンDを含む食事は、骨の健康を保つために重要です。
- 軽い運動:運動を通じて血行を良くし、骨代謝を促進することができます。
- 定期的な歯科ケア:定期的に歯科医師のチェックを受け、歯や歯茎、骨の健康状態を確認することが大切です。
結論
矯正治療において骨代謝は非常に重要な役割を果たします。歯を移動させるためには、歯周りの骨の吸収と生成がバランスよく行われる必要があります。治療の進行や成功には、この骨代謝が適切に働くことが不可欠です。また、骨代謝は年齢や体調、栄養状態に影響されるため、健康な骨を維持するためのケアが矯正治療の効果を最大限に引き出す鍵となります。





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