- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
矯正治療で人中が長くなるって本当?その原因と対策を徹底解説
2025年05月26日
矯正治療で人中が長くなるって本当?その原因と対策を徹底解説
「矯正をしたら、人中が長くなった気がする…」
そんな声がSNSや美容系の掲示板でたびたび見られます。矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えるためのものですが、口元や顔全体の印象にも少なからず影響を与えるもの。
今回は、「なぜ矯正で人中が長く見えるのか?」という疑問について、原因をロジックツリーで分解しながら、見た目の変化や対策方法まで詳しく解説していきます。
1. そもそも「人中」とは?顔の印象を決める重要ポイント
人中(じんちゅう)とは、鼻の下から上唇までの縦の溝のこと。この距離が短いと若々しく可愛らしい印象になり、長いと少し面長で間延びした印象に見える傾向があります。
実はこの人中、数ミリの違いでも顔のバランスが大きく変わって見えるため、美容的にはとても重要なポイントとされています。
2. 矯正後に「人中が長く見える」と感じる主な原因とは?
ここでは、ロジックツリーに基づいて、原因を3つの大カテゴリに分けて見ていきます。
A. 見た目の錯覚による影響
多くのケースで「人中が長くなったように見える」のは、実際に長くなったというより相対的な印象の変化によるものです。
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歯の位置が内側に引っ込んだことで口元が平らになった
出っ歯気味だった方が矯正で歯列が後ろに下がると、それまで突き出していた唇が引っ込みます。その結果、唇と鼻の距離が強調され、人中が「伸びたように」見えるのです。 -
唇のボリュームが減ったように見える
歯が内側に動くと、唇の支えがなくなりボリュームが減ったような印象に。これも人中が長く感じられる要因です。 -
顔のパーツのバランスが変わる
前歯の位置が変わることで、横顔や正面の印象も微妙に変化し、相対的に鼻の下が長く見えてしまうことがあります。
B. 筋肉や口周りのバランスの変化
矯正治療は、歯だけでなく口元の筋肉にも影響を及ぼします。
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噛み合わせの変化で表情筋の使い方が変わる
矯正によって噛み合わせが変化すると、口の周りの筋肉(口輪筋など)の使い方も変わってきます。使わない筋肉は少しずつ弱まり、たるみが出る場合もあります。 -
唇周りの筋力低下
特に長期の矯正治療でマウスピースを常時装着していた人は、表情筋をあまり使わない時間が増え、唇が少し下がって人中が長く見えるようになることも。
C. 個人の骨格や顔のタイプによる影響
すべての人に同じ変化が起こるわけではありません。もともとの顔の作りによって、見え方の変化には差があります。
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面長タイプの人はより目立ちやすい
顔の縦の比率が大きい人は、わずかな変化でも人中が強調されやすくなります。 -
上唇が薄めの人は変化を感じやすい
唇がふっくらしていると人中との境界が曖昧になりがちですが、薄い唇の方はその差が目立ちやすくなります。 -
鼻の形や高さによる視覚効果
鼻が低めの方は人中との距離感が強調されるため、より長く感じられることもあります。
3. 実際に「人中が長くなっている」わけではない?
ここで強調したいのが、「実際に皮膚や骨が伸びているわけではない」という点。多くの場合はあくまで視覚的・相対的な印象の変化であり、明確に測ってみると長さは変わっていないことがほとんどです。
とはいえ、「見た目として気になる」というのは十分に理解できる感覚ですし、治療前にそれを知っているだけでも心構えは変わります。
4. 人中が長く見えないようにするには?事前のチェックと対策
矯正治療前後での変化が気になる人は、以下のような対策や心がけを取り入れてみましょう。
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矯正前に仕上がりのシミュレーションを確認
矯正医によっては3Dシミュレーションなどで口元の変化を事前に確認できる場合があります。治療方針をしっかり相談しましょう。 -
口元や唇の筋トレ(MFT)を取り入れる
MFT(口腔筋機能療法)は唇や舌、頬の筋肉を鍛えるトレーニングです。定期的に行うことで、口元の引き締めやバランス改善に効果があります。 -
メイクや髪型でバランス調整
上唇にハイライトを入れる、リップラインを工夫するなど、メイクの工夫で人中の印象を短く見せることも可能です。
5.マウスピース矯正でも人中は長く見える?
では、従来のワイヤー矯正と比べて、マウスピース矯正ではどうなのか。
▼ 結論:マウスピース矯正でも顔貌変化は起こるが、軽度な傾向が多い
マウスピース矯正でも人中が長く見える可能性はあります。特に抜歯を伴うケースや、前歯を大きく下げる動きがある治療では、ワイヤー矯正と同様に口元のボリュームが減り、人中の印象が変わることがあります。
ただし、マウスピース矯正は「非抜歯・部分矯正」などの選択肢も多く、比較的軽度な移動にとどまる場合が多いため、顔貌変化も控えめです。
▼ マウスピース矯正の特徴として…
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薄い装置で唇の動きに制限が少ない
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徐々に歯を動かすため、変化がなだらか
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抜歯を避けやすい治療計画が立てられる
このような理由から、「人中が長く見える」などの副作用が起きにくい傾向にありますが、必ずしもゼロではないため、事前のカウンセリングが重要です。
6. もし気になる場合の対策は?
矯正後に人中の長さがどうしても気になる場合、以下のような対策もあります。
・治療前にEライン・横顔のシミュレーションを確認
近年では、矯正前に3Dスキャナーや顔貌分析ソフトを用いた「フェイスラインの変化予測」が可能です。口元や人中の印象を事前に確認できるため、不安がある人は利用しましょう。
・唇周りの筋トレ・マッサージ
口輪筋や上唇の筋肉を鍛えることで、口元の印象が整いやすくなります。人中を引き締めるリップエクササイズや、表情筋トレーニングも有効です。
・メイク・髪型で印象を調整する
人中の印象は、メイクや髪型でも調整可能です。シェーディングやリップラインの描き方を工夫することで、間延びした印象を軽減できます。
7. まとめ:人中が長く見えるのは「変化の結果」。焦らず、まずは理解を
矯正治療による人中の変化は、ほとんどが「相対的な見た目の変化」であり、骨格や皮膚が急に変わるわけではありません。
しかし、顔の印象に関わるデリケートな問題だからこそ、納得したうえで治療を進めることが大切です。
気になる場合は、事前の相談や筋トレ、見た目の工夫などで十分カバーできる場合も多いので、焦らず対処していきましょう。







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