- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
マウスピース矯正に悪影響?「口唇癖」の正体と治療効果を下げない対策法
2025年06月16日
【矯正中の落とし穴?】マウスピース矯正と口唇癖の深い関係とは
マウスピース矯正(インビザラインなど)を始めたばかりの方にとって、見落としがちなポイントのひとつが「口唇癖(こうしんへき)」です。これは、無意識のうちに行っている唇や舌、口元のクセのことで、矯正治療の効果に大きく関わってきます。
この記事では、「マウスピース矯正と口唇癖の関係」について詳しく解説し、矯正を成功に導くために知っておきたい対処法も紹介します。
1. そもそも「口唇癖」ってなに?
口唇癖とは、日常生活の中で無意識に行っている口まわりのクセのことを指します。誰しも一度はしているような行動ですが、これらが長期的に続くと歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。
主な口唇癖の例:
- 唇を噛む・吸う
- 舌で前歯を押す(舌癖)
- 口が開いている(口呼吸)
- 爪やペンを噛む
これらの癖は、ストレス時や集中しているときに無意識に現れやすく、本人が気づいていないことも多いのが特徴です。
2. 口唇癖がマウスピース矯正に与える影響
マウスピース矯正は、精密に計算されたアライナーの形状によって歯を少しずつ動かしていく治療法です。そのため、わずかな外力や癖でも治療計画に影響を及ぼす可能性があります。
悪影響の具体例:
- 歯の位置がズレる・戻る(後戻り)
- アライナーが浮いてフィットしにくくなる
- 矯正の進行が遅れる・やり直しになる
- 理想的な噛み合わせに到達できない

特に「唇や舌で歯を押す」という行為は、アライナーの内側から力を加えるようなものなので、矯正力とぶつかり合ってしまいます。
3. こんな癖には注意!それぞれの影響とは?
口唇癖にはいくつかのパターンがあり、それぞれに矯正への影響があります。
✔ 唇を噛む・吸う癖
→ 前歯を前方に押し出す力が働くため、出っ歯や開咬の原因に。マウスピースが浮きやすくなることも。
✔ 舌で前歯を押す(舌癖)
→ 歯と歯の間に舌が入り込み、すきっ歯や開咬が改善しにくい状態に。特に下の前歯は動きにくくなる。
✔ 口呼吸
→ 口が開いた状態が続くと、舌の位置が下がり、上顎の成長が不十分に。口元の筋肉バランスも崩れてしまう。
✔ 爪・ペンを噛む癖
→ 噛む位置によって特定の歯に負荷がかかり、アライナーの変形・破損のリスクも。
4. 口唇癖を改善するにはどうすればいい?
マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すためには、口唇癖の改善が欠かせません。以下の方法で意識的に対策していきましょう。
✅ まずは「気づく」ことから始める
- 鏡で話している・食べているときの様子を観察
- 家族や友人に「癖をしていたら教えて」と頼む
- スマホのカメラで自分の姿勢・口元を録画してみる
✅ MFT(口腔筋機能療法)の活用
- 舌・唇・頬の筋肉を鍛える専用トレーニング
- 正しい舌の位置・口の閉じ方を学ぶ
- 歯科医院でプログラム指導を受けられることも
✅ 日常での意識改善
- デスクワーク中の姿勢を正す
- 鼻呼吸を意識する(鼻づまり対策も重要)
- リラックス時に口が開いていたら閉じるクセをつける
5. 矯正成功のカギは「歯並び」だけじゃない
マウスピース矯正は、アライナーによる歯の動きだけでなく、周囲の筋肉や日常の癖にも大きく影響される治療です。
せっかく歯を正しい位置に動かしても、口唇癖が残っていれば後戻りの原因になります。特に成長期の子どもだけでなく、大人でも癖が残っているケースは珍しくありません。
歯科医院によっては、矯正+MFTの両立治療を行っているところもあります。歯並びだけでなく、「癖まで見てくれる医院かどうか」も、クリニック選びの大切なポイントです。
まとめ:口唇癖の改善が、マウスピース矯正の成功を左右する
マウスピース矯正は、目立たず快適な治療方法ですが、その成功の裏には「見えない努力」があります。なかでも、口唇癖への意識は非常に重要です。
- 矯正の妨げになる癖に気づく
- 自分でできる対策を取り入れる
- 歯科医院と連携して治療を進める
これらを心がけることで、より短期間で、より理想に近い歯並びへと近づくことができます。






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