- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
【痛み】矯正治療時に起こりやすいトラブルとは?【アレルギー】
2022年01月14日
矯正治療時に起こりやすいトラブルにはいったい、どのようなものがあるでしょうか?
■虫歯
虫歯は、矯正治療中に起こりやすい疾患のうちの一つです。それは、矯正治療では歯に器具が固定され、汚れが溜まりやすいうえに、磨きにくいことが大きな原因です。一方で、マウスピース矯正は取り外しが可能ですので、歯磨きのしやすさ、虫歯のリスクは通常の矯正治療と比べると、低いといっていいでしょう。
ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だからといって、虫歯にならないという事ではありません。
マウスピースと歯の間には、わずかな隙間があります。そこに飲み物などの砂糖が入り込み、停滞してしまうと、虫歯のリスクが高くなってしまうのです。そのため、お砂糖の入った飲み物に関しては、お手数ではありますが一度マウスピースを外していただき、できればお口をゆすいでから再度装着していただくことが理想的です。
また、密着度が高いことから、通常唾などで流れやすい歯垢(プラーク)が停滞しやすいため、マウスピース矯正でも十分な歯磨きが必要です。
■歯周病
歯周病も虫歯と同じく、矯正治療を始めたことにより歯磨きが不十分となることが原因で起こりやすい疾患です。
取り外しのできるマウスピース矯正では、ワイヤー矯正に比べてはるかにセルフケアがしやすい環境にあります。そのため、歯周病の原因となるプラークを排除でき、歯ブラシはもちろん、フロスも矯正治療前と同じように行うことができます。
ただ、虫歯と同じように、歯磨きをしっかりしなければ、歯周病になるリスクが上がります。当院では定期健診中も随時、歯ぐきの腫れや磨き残しがあれば歯磨き指導を行っています。
■歯根吸収
歯根吸収とは、「過度の矯正力」「根っこの形の異常」「治療期間の大きな延長」「過去の外傷」などによって、歯の根っこが短くなってしまうことをいいます。歯根吸収は、矯正治療にはつきものであり、ワイヤーでもマウスピースでも起こりうる現象です。特に前歯に起きやすいといわれるため、矯正治療を開始する前には歯の根っこの状態を詳しく検査するべきだといわれています。当院では、CT撮影によってより精密に歯の形態を把握することが可能です。
■アレルギー
通常のワイヤー矯正(表側・裏側含む)で用いられる装置には、金属が使われていますが、金属の中でもアレルギーの起こしにくい材料でできています。しかし、ごく稀にそのような金属でも、アレルギーが発現してしまうことがあります。そのような場合には、治療方針や装置を変更しなければならなくなってしまいます。
当院の取り扱っているマウスピース矯正は、金属を使用しない矯正方法ですので、アレルギーをお持ちの方やご不安な方でも、安心して治療することができます。
■誤飲
歯に固定されている装置が外れ、飲んでしまったというトラブルも、矯正治療では少なくありません。特にワイヤー矯正で使用されている、「ブラケット」という装置を誤飲するケースが多い傾向にあります。
マウスピース矯正ではそのようなブラケットの誤飲はありませんが、噛み合わせを調整するためのゴムかけに使用する「ボタン」や、歯の表面に装着する透明な「アタッチメント」などは、外れた拍子に飲み込んでしまうことがあります。のどに引っかからず、そのまま飲み込んだ場合には、特に医療機関で診察を受ける必要はありません。ただし、なるべく早めにクリニックへと連絡し、再装着してもらうようにしてくださいね。
■痛み
矯正治療時に生じる痛みには、「歯が動く痛み」と、「装置が頬や舌に当たることによる痛み」の2つがあります。マウスピース矯正では、装置が当たって痛いというのは殆どありませんので、感覚に敏感な方でも始めやすい矯正治療法です。
歯が動くことによる痛みはかなり個人差がありますが、マウスピース矯正では特に、「新しいアライナーに変えた時」に起こりやすいとされています。
当院では、フルプランの方を対象にご使用いただいている加速装置、「オーソパルス」によって、より痛みのすくない矯正治療をご提案しております。
加速装置であるオートパルスにつきましては、こちらの記事もご覧くださいね。→【光加速装置】オーソパルス(OrthoPuls/オルソパルス)とは?
■破損
装置の破損は、決して珍しいことではありません。「ワイヤーが折れる、曲がる」「装置が外れる」など、矯正治療中ではどうしても起こってしまうトラブルです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)でも同様に、アライナーを踏んだり、愛犬などに噛まれて破損してしまうことがあります。そのような場合には、壊れたアライナーを再発注する必要がありますので、このようなことを避けるために、お口の中に入れていないアライナーは
- ①必ず専用のケースに入れて保管する
- ②一時的でもティッシュなどに包んで保管しない
ようにしていただくようお願いしております。
当院では、治療開始後のサポートもしっかりと行います!初めての矯正治療でご不安な方も、どうぞご安心くださいね。
カウンセリングのご予約は随時受け付けております!ご相談はこちらの予約フォーム、お電話またはLINEにてお待ちしております。