- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
マウスピース矯正 Q&A②
2021年10月2日
マウスピース矯正について、よくあるご質問をまとめました!
前回のQ&Aについては、こちらからご覧くださいね。→マウスピース矯正Q&A
Q.マウスピースによって喋りにくくなると聞きましたが、本当ですか?
A.初めてマウスピースを装着した場合には、どうしても発音が難しくなります。
特に「サ行」「タ行」「ナ行」「ラ行」など、発音時に舌がマウスピースの淵に当たってしまう場合には、そのような傾向が強いといえるでしょう。
しかし、マウスピースつけた状態で喋ることに慣れていただくと、治療前と同じように発音することが可能です。
まだマウスピースを装着しての会話に慣れない状態で、仕事などでどうしてもという場合には、一時的にマウスピースを外していただくことも可能ですよ。ただし、そのあとはすぐに再装着するようにしてくださいね。
Q.歯を抜かずに治療することは可能ですか?
A.精密検査時のレントゲン撮影データや写真データをもとに、骨格分析等の診断をして抜歯なしで治療ができるか、抜歯しなければ治療ができないかが分かります。そのため、初回のカウンセリング時にお口の中をただ見ただけでは、抜歯か非抜歯かを判断することはできません。当院では診断の際、抜歯でも非抜歯でもできる場合、双方のメリットデメリットをドクターがご説明し、最終的に患者様にお選びいただいております。抜歯したくないという方に対して、無理に抜歯治療を進めるといったことはいたしませんので、ご安心くださいね。
Q.マウスピース矯正でEラインを綺麗にすることはできますか?
A.Eラインを綺麗にし、口元の突出感をなくすことはマウスピース矯正でも可能です。
ただし、そのような場合には抜歯をしなければ難しいケースが多くなります。歯を並べるスペースが足りないのに、無理に非抜歯で治療をしてしまうと、逆に前歯が前方に傾斜して逆に口元がでてしまうことも少なくありません。
当院では診断時、治療後のシミュレーションとして横から見た口元のラインなどをお見せしております。どのような口元になる治療なのか、治療前に確認していただくことで、安心して治療を始めていただくことが可能です。
Q.マウスピース矯正による副作用はないのですか?
A.通常のワイヤー矯正と同様に、矯正治療による以下のリスク(副作用)が存在します。
- ・治療中は噛み合わせが安定しないため、うまく噛めないことがある
- ・不十分なセルフケアによる、虫歯や歯周病の発症
- ・舌の癖や歯の状態による治療期間の延長
- ・保定装置の装着時間が不十分なことによる治療後の後戻り
- ・歯ぐきが下がる、ブラックトライアングルの出現(特に前歯のデコボコが大きい場合)
- ・歯根吸収と呼ばれる、歯の根っこが短くなる現象
加えて、マウスピース矯正では
- ・装着時間が不足することによる治療期間の延長
- ・歯ぎしりや食いしばりによるマウスピースの破損
が考えられます。すべての方にこのよう症状が起こるという事ではありませんが、当院では必ず契約前にご確認いただいております。疑問点や不安なことがあれば、お気軽にお尋ねくださいね。
Q.マウスピース装着中にたばこを吸っても大丈夫でしょうか?
A.マウスピースへの着色が懸念されますので、できる限りマウスピースは外した状態で喫煙をお願いしております。
また、電子タバコを含む喫煙は、矯正治療を遅らせてしまう可能性があります。通常歯科矯正では、歯の土台の骨である歯槽骨が、吸収と再生を繰り返すことで歯が動いていきます。しかし、たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮して血行を悪くしてしまいます。血行が悪くなるという事は歯槽骨の代謝も悪くなるということであり、このことから矯正治療期間の延長が考えられます。
無理に喫煙してくださいとお伝えすることはありませんが、一つのリスクとしてご理解いただければと思います。
Q.マウスピース矯正は痛みがないというのは本当ですか?
A.個人差はありますが、痛みが全くないわけではありません。
歯を動かしているため、多少なりとも痛みは出ます。ただし、通常のワイヤー矯正よりも治療中の痛みは少ない傾向にあるというのは本当です。
また、当院ではオーソパルス等に加速装置を使用していただいているため、治療中の痛みを減少させることが可能となっております。
オーソパルスは治療期間の短縮だけでなく、痛みの緩和にも役立ちます。オーソパルスの詳細については、こちらの記事もご覧下さいね。→【光加速装置】オーソパルス(OrthoPuls/オルソパルス)とは?
Q.診断時に伝えられた期間で必ず治療は終わりますか?
A.ワイヤー矯正もそうですが、矯正治療には必ずと断言できることは殆どありません。
歯を動かすという治療はシミュレーション上では簡単にできますが、実際に動かすとなると予想以上に複雑で難しいものとなります。予期しない出来事が起こることも決して珍しいことではありません。
これらを踏まえ、歯科矯正において治療前に「必ず期間内に治る」、「必ず理想の歯並びになる」と安易なことを言うのは、あまりよいことではないと考えます。そのため、患者様の負担軽減のためできる限り尽力はいたしますが、治療期間の前後があることはご理解いただくようにお願いしております。
「治療期間はあくまで目安である」とお考え下さいね。
その他、気になることや相談したいことがあれば、問い合わせメールまたはカウンセリングにて、お気軽にお尋ねください。