- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
歯科矯正治療で知っておきたいこと
2026年02月13日
予期せぬ合併症とその原因
― マウスピース矯正も含めた正しい理解のために ―
はじめに:矯正治療にリスクはありますか?
歯科矯正治療は、歯並びや噛み合わせを整え、見た目だけでなくお口全体の機能改善にもつながる治療です。
一方で、医療行為である以上、100%リスクがない治療ではありません。
ほとんどの方は大きな問題なく治療を終えますが、まれに
-
歯の根が短くなる
-
歯ぐきが下がる
といった**予期せぬ変化(合併症)**が起こることがあります。
この記事では、こうした合併症が「なぜ起こるのか」「どう考えればよいのか」を、マウスピース矯正も含めて分かりやすく解説します。
矯正治療には「予測が難しい側面」があります
矯正治療は、歯に力をかけて少しずつ動かしていく治療です。
しかし歯の動き方は、
-
骨の厚みや硬さ
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歯の根の形や長さ
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噛み癖・歯ぎしり
-
唇や舌の無意識の癖
といった個人差の影響を大きく受けます。
そのため、どれだけ精密に検査し計画を立てても、
すべてを完全に予測することはできないという特性があります。
合併症①:歯根吸収(歯の根が短くなる現象)
歯根吸収とは、歯を支えている骨の中で、歯の根が少しずつ短くなってしまう現象です。
多くの場合はごく軽度ですが、進行すると歯の寿命に影響することがあります。
主な要因は、歯にかかる力とその継続時間です。
-
強い力が長期間かかる
-
大きく歯を動かす必要がある
-
前歯など、歯根が細く長い歯
さらに、唇を噛む・歯を押すといった無意識の癖があると、
矯正力に加えて余分な負担がかかり、歯根吸収が起こりやすくなることがありま
す。

合併症②:歯肉退縮と「骨の範囲」の問題
歯肉退縮とは、歯ぐきやその下の骨が下がり、歯の根が露出する状態です。
歯が長く見えたり、知覚過敏が起こることもあります。
歯は、顎の骨の中という安全な範囲で動かす必要があります。
外側へ動かしすぎたり、もともと骨が薄い場合には、
歯が骨の範囲を超えてしまい、歯肉退縮や骨の減少につながることがあります。
矯正治療の合併症は、1つの原因だけで起こることはほとんどありません。

矯正治療の合併症は、1つの原因だけで起こることはほとんどありません。
予期せぬ合併症
│
├ 歯に加わる力
│ ├ 強すぎる・長すぎる
│ └ 想定外の方向
│
├ 個人差
│ ├ 骨の厚み
│ ├ 歯根の形
│ └ 無意識の癖
│
└ 治療計画の限界
├ 骨の範囲を超える移動
└ 予測と実際のズレ
👉 合併症は「矯正が悪いから起こる」のではなく、
条件が重なったときに起こりやすくなる現象です。
マウスピース矯正の場合、合併症の考え方は?
近年、透明で取り外し可能なマウスピース矯正を選ばれる方が増えています。
「マウスピースなら安全なの?」という質問も多く聞かれます。
結論として、マウスピース矯正でも合併症の可能性はゼロではありません。
ただし、力のかかり方に特徴があります。
マウスピース矯正の特徴
-
歯を動かす量が細かく設定されている
-
強い力が一気にかかりにくい
-
計画通り進めば歯への負担は抑えやすい
そのため、適切に管理されたマウスピース矯正では、
歯根吸収のリスクは比較的低い傾向にあります。
マウスピース矯正でも注意が必要なケース
次のような条件が重なると、マウスピース矯正でもリスクが高まります。
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設定された移動量が大きすぎる
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アライナーの交換ペースが合っていない
-
装着時間を守れていない
-
無意識の癖が強い
また、歯はマウスピース矯正でも骨の範囲内で動かす必要があるため、
治療計画が不適切な場合には歯肉退縮が起こる可能性があります。
合併症を防ぐために大切なこと
リスクを最小限に抑えるために重要なのは、
-
精密な検査と診断
-
無理のない治療計画
-
定期的なレントゲン・写真での確認
-
患者さん自身の協力
です。
特にマウスピース矯正は、自己管理が治療結果に大きく影響します。
違和感や不安があれば、早めに相談することが大切です。
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平澤先生 | 矯正歯科医 (@riyondoru) | TikTok
まとめ:正しく知ることが、安心につながる
歯科矯正治療には、
歯根吸収や歯肉退縮といった、まれに起こる合併症があります。
しかしそれらは、
✔ 正しい検査
✔ 適切な治療計画
✔ 丁寧な経過観察
によって、多くの場合コントロール可能です。
マウスピース矯正も含め、
「リスクを知ったうえで、一緒に確認しながら進める」ことが、
満足度の高い矯正治療につながります。
まずはお気軽にカウンセリングへ
当院では、費用・期間・適用など、どんなご相談でも丁寧にお話しさせていただくカウンセリングを行っております。
「少し気になる」そんな気持ちだけでも大丈夫です。
ぜひ一度、リラックスしてお話をお聞かせください。






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