- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
歯を削るって必要?ディスキングをすすめる矯正歯科とそうでない医院の違いとは
2025年07月28日
「歯を削るって必要?」──ディスキングをすすめる医院と、すすめない医院の違いとは
矯正治療を受けようとしたとき、「歯を少し削りましょう」と言われて驚いたことはありませんか?
これは「ディスキング」または「IPR(Interproximal Reduction)」と呼ばれる処置で、歯の表面をごくわずかに削ることでスペースを作り、歯並びを整える方法です。
とくに最近人気の「マウスピース矯正」では、このディスキングがよく使われます。
ただし、医院によってディスキングの活用度には違いがあり、「やるか・やらないか」が分かれるポイントでもあります。
今回は、ディスキングを多用する医院とそうでない医院の違い、そしてマウスピース矯正との関係について、患者目線でわかりやすく解説していきます。
ディスキング(IPR)とは?
ディスキングとは、歯と歯のあいだのエナメル質を0.1〜0.3mm程度削ってスペースをつくる処置のこと。
- 痛みは基本的になし(麻酔不要なことが多い)
- 削ったあとは表面をなめらかにして汚れがたまりにくく仕上げる
- 削る量は、虫歯治療などと比べるとごくわずか
この方法は、歯を抜かずにすき間をつくる手段として、特に非抜歯矯正で有効です。
つまり、できるだけ自然な歯を残したまま矯正したい人には、選択肢として検討されることが多いのです。
マウスピース矯正とディスキングの深い関係
マウスピース矯正(インビザラインやキレイラインなど)は、透明で取り外し可能な装置を使って少しずつ歯を動かしていく治療法です。
この治療では、歯を抜かずにきれいに並べることを目指すケースが多く、
「でもスペースが足りない…」という場面で、ディスキングが重要な役割を果たします。
たとえば…
- 軽度~中等度のガタガタ(叢生)に対応するため
- 歯のサイズバランスを整えるため
- 奥歯を大きく動かさずに見た目をきれいにするため
このように、マウスピース矯正ではディスキングを戦略的に使うことが多いため、医院によってその使用方針に違いが出やすいのです。
なぜ、医院によって「やる・やらない」が分かれるの?
同じマウスピース矯正でも、医院によってディスキングを積極的にすすめるところもあれば、ほとんど使わないところもあります。
その理由は主に4つあります:
① 診療方針・治療哲学の違い
- 美しさ(審美性)を優先する医院は、細かくスペースをつくって歯列全体のバランスを整えるため、ディスキングを活用します。
- 一方、機能や歯質の保存を重視する医院は、削ること自体を最小限に抑えようとする傾向に。
医院によって「理想の歯並び」や「治療のゴール像」が違うため、ディスキングの必要性の捉え方も異なります。
② 使用する矯正装置の違い
- マウスピース矯正:歯を大きく移動させるよりも、スペース調整で無理なく整えることが主流。そのためディスキングがよく使われます。
- ワイヤー矯正:より大きな移動が可能で、抜歯でスペースを確保するケースもあるため、ディスキングは少ない傾向に。
装置の特徴によって治療の進め方が変わることを理解しておきましょう。
③ 患者の希望・治療への価値観
- 「歯はできるだけ削らないでほしい」という希望があると、ディスキングを避ける医院もあります。
- 逆に「抜歯は避けたいが、整った歯並びにしたい」と希望する患者に対しては、ディスキングを活用して非抜歯矯正を実現することも。
自分の希望をしっかり伝えることが、医院選びの大きなポイントになります。
④ 医師の技術・考え方
- ディスキングは簡単そうで繊細な処置。技術や経験のある医師ほど、精密に安全に行えます。
- 一方、「削ること=リスク」と捉え、あえて使用を避けるスタンスの医師もいます。
その医院がどのような技術を重視し、どんな基準で治療を設計しているかを確認しましょう。
ディスキングの不安と向き合うには?
「歯を削る」と聞くと、不安を感じるのは当然です。
でも、正しい知識と技術のもとで行われるディスキングは、安全性の高い処置です。
▶ 削る量はごくわずか
▶ エナメル質の厚みを考慮して行う
▶ 虫歯や知覚過敏のリスクも適切に管理される
不安なときは、以下のようなことを確認しておきましょう:
✅ なぜディスキングが必要なのか?
✅ どこを、どのくらい削るのか?
✅ 削らない選択肢はあるか?
こうした説明をしっかりしてくれる医院なら、安心して任せられます。

まとめ:「歯を削る or 削らない」は、医院の考え方の表れ
ディスキングを多用する医院と、使わない医院の違いは、ただの「技術の違い」ではありません。
それは、その医院がもつ治療哲学・装置の選び方・患者との向き合い方の現れです。
マウスピース矯正を検討している方は特に、ディスキングの方針が治療内容に大きく関わる可能性があることを知っておくと安心です。
大切なのは、
- 納得できる説明を受けられるか
- あなたの希望に寄り添った提案をしてくれるか
- 信頼できる技術と経験があるか
これから治療を始める方は、ぜひ「ディスキングをする/しない」という選択肢を、医院選びの判断材料のひとつにしてみてくださいね。






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