- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
歯科矯正で「小顔」になる?しゃくれ改善?
2021年09月10日
矯正治療をすることで、小顔になるという噂があります。
矯正治療は小顔効果があるか?
矯正治療を考えたとき、お顔のバランスについて気になったことはありませんか?今回は特にお悩みや疑問の多い、『矯正治療と小顔の関係』についてお話していきたいと思います。
矯正治療が直接小顔に繋がるわけではない
歯科矯正治療が直接、小顔になるといった理由に繋がるわけではありません。しかし、矯正治療をしたことで間接的にフェイスラインがすっきりとし、結果的に小顔になるという事はあり得ます。矯正治療による小顔には、以下の要因が関係していると思われます。
- ①咬み合わせが正常になり、咬筋の過剰な発達が抑えられた
- ②歯並びが整ったことで、口元の印象がすっきりとした
- ③親知らずの抜歯により、フェイスラインがすっきりした
では一体どのようなことが小顔に繋がるのでしょうか?下記でお話していきたいと思います。
親知らずを抜いたら小顔に?
歯を支える土台の骨、歯槽骨(しそうこつ)は、例えば一本歯を失うと、その場所の骨は次第に痩せていってしまいます。歯を失ったら必ず変わりとなるもの(ブリッジ・インプラント・入れ歯)が必要なのは、この骨が痩せるという現象を防ぐためでもあります。
しかし、矯正治療で抜歯する親しらずは不要であるため、入れ歯やインプラントを入れる必要はありません。そのため、抜歯した後親知らずのスペース分骨が減少し、フェイスラインがすっきりすることがあります。
このことから「親知らずを抜くと小顔になる」と言われているのでしょう。
歯並びが整うと印象が変わる
顔のパーツにおいて、口元は印象を大きく左右します。たとえフェイスラインが変わっていなくても、歯並びが整うことで印象が変わり、すっきりとしたイメージとなることも決して少なくはありません。結果として顔のラインは変わらなくても、口元の印象が変わることでパッと見たときにすっきりとした顔になるということがいえるでしょう。
エラが目立たなくなるか?
不正な歯並び、咬み合わせによって歯ぎしりや食いしばりがある場合、矯正治療をすることでエラが目立たなくなるケースはあります。
ただし、歯並びが整ってもこのような癖が治らない方、エラの張りが骨そのものによる場合、矯正治療による改善は見込めないといってよいでしょう。
顔のゆがみは治る?
歯並びが悪いことで顔が歪んでいる場合、矯正治療により改善することがあります。ただし、顎の骨そのものが歪んだり偏位している場合には、歯を並べるだけでは治らないことがあります。顎の骨から根本的に治療するには、外科治療が必要となります。
人中が長くなるって本当?
人中(じんちゅう)とは、鼻と唇までの間にあるくぼみのことを言います。昨今では、この人中を短くしたいという方も多く、人中短縮メイクなどの特集も多く組まれています。
そんな人中は、「矯正治療をすると長くなるのでは?」とまことしやかに囁かれています。しかし、適切な矯正治療をしたのであれば、人中が長くなってしまうことはあまりありません。むしろ逆に短くなったと感じるのは、特に出っ歯のケースです。大きく出っ歯である場合、唇をしっかりと閉じることが難しく、唇を突き出して無理やり閉じている方も多いです。こういった方は特に、人中が伸びた印象になってしまうことがあります。
矯正治療において出っ歯が改善され、唇を無理なく閉じることができるようになると、この引っ張りがなくなり、人中が短くなったと感じる方も多いといわれています。
矯正治療で顔やせの効果は?
矯正治療自体には、顔やせなどの効果はありません。しかし、ワイヤー治療では「食事が制限されるため」、マウスピース矯正では「食事のたびにマウスピースを外す必要があるため」という上記の理由から、間食や食事の量が減り、体重が減少することで顔が痩せることはあります。
このように、矯正治療と審美的な問題は切っても切れないものです。これは、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも変わりません。
当院では、カウンセリングの際にはそのようなご質問にもしっかりとお答えいたします。マウスピース矯正での歯科矯正をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談くださいね。